2025年10月5日から13日まで、南イタリア・ナポリ近郊にあるサルヴァトーレ・ソレンティーノの工房を訪問してきました。
今回の出張の目的は以下の3つです。
・12月発売の新作(ブリーフケース/フラップショルダーバッグ/クラッチバッグ)の出荷前検査
・2026年初夏に発売予定の新商品(バックパック/横型トートバッグ)の企画打合せ
・工場視察
旅のはじまり
筆者にとって、イタリアを訪れるのも職人たちに会うのも初めて。
オンラインでは何度も話してきたものの、鞄づくりの現場を見るのは初体験です。
現地を見れば、彼らの仕事の空気や鞄への想いがもっと深く理解できると思うと胸が高鳴りました。
一方で、陽気で大らかなイタリア気質については事前に聞いており、「本当に予定通り進むのだろうか」という小さな不安もありました。
それでも、初めてのイタリア、初めての鞄づくりの現場であり旅のすべてが自分の糧になるはずだと期待しながら、私は飛行機へと乗り込みました。
東京・羽田からローマまで約15時間。長旅を経て翌日には打合せがスタートします。
現地は日本より少し涼しく、空気が軽やかでとても過ごしやすい気候。
滞在中はずっと晴天に恵まれ、「この陽気な天気が、彼らの明るい気質をつくっているのだろう」と感じました。
実際、彼らは感情表現が豊かで、おしゃべりが大好き。
ちょっとした質問にも、身振り手振りを交えながら、背景まで丁寧に語ってくれます。
たとえばナポリのガレリアについて「これはいつできたの?」と尋ねた時のことです。
スタッフが目を輝かせながら、「19世紀に当時の国王が荒廃した地域を立て直そうと建設したんだ」ということを、たくさんの補足情報を交えて5分ほどかけて熱く語ってくれました。
まるでその時代を生きていたかのように情景を描くその口調に、私も思わず引き込まれてしまいました。
イタリア人は話が長いというのはよく言われますが、実際に接してみると、それは「自分たちを知ってもらいたい」「一緒の時間を楽しみたい」という人懐っこい心の表れなのだと感じます。
この旅を通して、そんな彼らの明るさと誠実さが、この土地の陽射しのようにブランドづくりにも息づいているのだと実感しました。
また、歴史的な建物が立ち並ぶ街並みの中にも、新しいデザインが自然に溶け込み、古さと新しさが共存する美しい調和に心を打たれました。



サルヴァトーレ・ソレンティーノについて
サルヴァトーレ・ソレンティーノはナポリ近郊のCava de' Tirreni(カーヴァ・デ・ティレーニ)とVietri sul Mare(ヴィエトリ・スル・マーレ)にショップを構えています。
Cava de' Tirreniには自社工場、ナポリには協力工場があり、熟練の職人たちが手仕事で製品を生み出しています。
今回はCava de' Tirreniのショップで出荷前検査と打合せを行いました。
よく「イタリア人は陽気だが時間にルーズ」と言われますが、ソレンティーノ氏のチームは非常に誠実で、こちらの要望や納期にも丁寧に対応してくれます。
今回も訪問時にはすべての製品がきっちり仕上がっており、その仕事ぶりに感銘を受けました。


出荷前検査の様子
検査では、各製品の仕様とのズレがないか、革に傷など外観上の問題がないかを丁寧に確認。
バッグの基本設計は日本で行っていますが、細部の表現や手触りのニュアンスは職人の感性に委ねています。
革は天然素材のため、生来の小さな傷やシワがどうしても現れます。
しかし私たちはそれを「生きていた証」と考え、あえて残すようにしています。
ひとつとして同じ革はなく、すべてが一点ものの個性を持っています。
無事に検査を終えた商品は、現在公式ECショップにて発売中です。
ぜひ多くの方に手に取っていただきたい仕上がりです。

次シーズンの新企画
続いて、2026年初夏に発売を予定しているバックパックと横型トートの企画打合せを実施。
事前に提出していた仕様書をもとに、現地のチームからは「この部分の仕上げはどうするのか?」「この構造で問題ないか?」など、細部まで確認する質問が飛び交いました。
お互いの理解が深まり、理想的な形に近づいていることを実感。
サンプル完成が今から楽しみです。


次回予告
少し長くなってきましたので、今回はここまで。
次回は、工場訪問の様子とイタリアの美しい風景を写真とともにお届けします。
お楽しみに。
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